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糖尿病は怖くない

糖尿病は怖くない

 自分が糖尿病だと知らずにいる、知っていても何もせず適切な治療せずにいる。そんな状態が続くと糖尿病神経障害・網膜症・腎症などの合併症(細小血管症)をきたし日常生活に支障をきたす様になります。また、動脈硬化の進展により脳梗塞や心筋梗塞をきたし(大血管症)10年も早死にする可能性もあります。この大血管症は糖尿病予備群から始まっています。

 しかし、糖尿病になっても、かつてほど怖れたり悲観したりする必要はありません。重大な合併症を発症する前に、悪い生活習慣を改善し、適切な治療を受け血糖値を正常に維持(血糖管理)すれば、糖尿病の人でも普通の健康な人と変わらない「元気で豊かな生活」を送ることができます

 また、糖尿病予備群の人も、この段階から悪い生活習慣を変えることで、糖尿病になるのを防ぐことができます。その結果、怖い動脈硬化から身を守ることも可能となります。

犬と散歩すると長生きする

 心筋梗塞を起こした424名の患者さんを「①犬を飼っているグループ、②飼っていないグループ」に分け、1年後の死亡率を比較した米国での研究報告です。試験開始1年後の生存の有無が判明した369名が対象となりました。犬を飼っているグループの患者さんは87人中1名(1.15%)が死亡し、飼っていないグループでは282名中19名(6.73%)が死亡しました。犬を飼っているグループは飼っていなかったグループに比べ死亡率が1/6に減少していました。ネコを飼っているグループでは死亡率に差は認められませんでした。


 おそらく、犬と一緒に散歩(運動)することが好結果につながったと考えることができそうです(図3-1)。

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生活習慣を改善すると糖尿病の発症を予防できる

 血糖値が高いことや肥満、運動不足などが糖尿病発症の危険因子として知られています。生活習慣の改善や薬剤の投与により、これらの危険因子に介入することで糖尿病発症を予防または遅延させることができるかどうかを調べる研究が米国で行われています(糖尿病予防プログラム、DPP Diabetes Prevention Program、Diabetes Care 2009)。

 25歳以上のBMIが24以上で糖尿病予備群(75g経口ブドウ糖負荷試験で空腹時血糖値が95~125㎎/dl、2時間値が140㎎/dl)の人3234名を「①生活習慣改善、②糖尿病薬服用、③何もしない」の3つのグループに無作為に分け、1996年より1999年まで、平均2.8年間追跡調査を行い各群での糖尿病の発症率について比較しました。

 何もしないグループが糖尿病になった確率を「1」とすると、糖尿病薬服用グループは0.69、生活習慣改善グループは0.42でした。薬を服用したグループは31%、生活習慣改善グループは58%の予防効果が認められことになります。さらに、生活習慣改善グループは薬を服用したグループより高い予防効果が認められています(図3-2)。

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 DPPにより生活習慣改善の改善が糖尿病発症に対する予防効果が明らかになったので、2002年よりメトホルミン(糖尿病薬服薬)群と何もしない群にも生活習慣改善の強化指導が追加され、平均5.7年間の経過観察が行われています。(DPP延長試験、DPPOS Diabetes Prevention Program Outcomes Study)

 その結果、これらの2群においても糖尿病発症に関して、最初からの生活習慣改善群と差がなくなりました。すなわち、糖尿病発症に対する生活習慣改善の明らかな予防効果が認められたことになります(図3-3)。

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