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その他の有害物質

 たばこの煙の有害物質はガス相(気体)と粒子相(細かい粒子)に分けられます。①主としてガス相に含まれるものとして一酸化炭素、アンモニア、②主として粒子相に含まれるものとして、多環芳香族炭化水素、ダイオキシン類、金属、③ガス相と粒子相の両方に含まれる成分として、ニコチン、アルデヒド類、ニトロソアミン類、活性酸素があります。

 

 たばこの3大有害物質はニコチン、一酸化炭素、タールです。ニコチンは粒子相とガス相、一酸化炭素はガス相の有害物質の代表です。一方、タールはニコチンを除いた全ての粒子相の総称です。

 

 最近、何かと問題になっているPM2.5。大気中に浮遊する粒の大きさが2.5µm以下の微小粒子状物質のことを指します。たばこの煙も典型的なPM2.5です。PM2.5は非常に小さな粒子であるため肺の奥深くまで入り込みやすく、肺をはじめ全身の炎症を引き起こし、呼吸器・循環器疾患による死亡率を上昇させます。

 

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 ここでは、ニコチン一酸化炭素以外の有害物質について説明します。

アンモニア
 一酸化炭素と同じガス相の有害物質です。たばこ煙のpHを上昇させるために添加されたアンモニウム化合物から発生します。アンモニアで煙をアルカリ性にしておくと、発生するニコチンが蒸発して気化します。気体のニコチンは肺からの吸収効率が非常に良くなるため、煙を吸って3秒後には脳に大量のニコチンが送り込まれます。急激で大量のニコチン刺激によって脳細胞に変化が生じ、ニコチンのない状態では脳細胞間の神経伝達が十分に機能しなくなります。タバコを吸わないでいると、イライラしたり、ボーっとして眠くなったりするのはそのためです。すなわち、アンモニアはニコチン依存症を作り出す巧妙な仕掛けです。たばこ産業内部では「アンモニア・テクノロジー」と呼ばれているそうです。

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ニトロソアミン
 アミン類がニトロソ化した物質の総称で、その多くが発がん性を有します。レストランなどで良好に換気されている室内で8時間に10本の喫煙がなされた場合、室内に滞在する非喫煙者は40~400㎎のジメチルニトロソアミン(発がん物質)を吸入するとされます。この量は喫煙者自身が吸い込む量(100~500㎎)とほとんど変わりません。ニトロソアミン類は特に線組織にがん化を引き起こすことが知られており、肺腺がんに代表される受動喫煙関連がんとの関係が指摘されています。

アルデヒド類
 たばこ製品に添加あれているグリセリン(保湿剤)や砂糖などが燃焼して発生します。発がん性や強い粘膜刺激性を持っています。また、依存性形成を促進します。

活性酸素

 酸化作用の強い酸素関連物質の総称です。たばこ煙自体に活性酸素が含まれています。また、喫煙により取り込まれた体内の有害物質を除去・処理するため、白血球が大量の活性酸素を発生させます。

 活性酸素はDNAを酸化してがん化を誘発します。肺胞弾性繊維を破壊してCOPD(閉塞性肺疾患)や自然気胸を引き起こします。血中コレステロールや動脈壁を酸化して全身の動脈硬化を促進します。皮膚のしわやたるみ、しみ・くすみの原因となります。また、骨粗鬆症、気管支喘息、不整脈、脳血管攣縮、消化性潰瘍、肝硬変、慢性膵炎、勃起不全、頭髪脱毛、白内障、黄斑性病変のリスクを高めるメカニズムとしても注目されています。

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多環芳香族炭化水素

 複数のベンゼン環が縮合した物質の総称です。有機化合物の不完全燃焼で発生します。たばこの煙にはピレン、ベンゾピレン、アントラセンなど20種類以上の多環芳香族炭化水素が含まれています。

多環芳香族炭化水素は発がん性を有するほか、体内での活性酸素の発生要因になります。また、アレルギーを誘発させる原因にもなっています。



ダイオキシン類

 2つのベンゼン環が酸素原子を介して結合したジオキシン母核に塩素が結合した化合物の総称です。塩素化合物と有機化合物の低温燃焼により発生します。塩素系添加物を含むたばこはダイオキシン類の好発生条件です。とくに、低温で燃焼する副流煙には高濃度のダイオキシン類が含まれています。ダイオキシンには発がん性がある他、環境ホルモンとして微量でも人体に悪影響を及ぼします。

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金属

 たばこの煙には、たばこの葉と添加物などから鉛、ニッケル、カドニウム、ポロニウム210などの金属が含まれています。鉛は神経系、造血系、腎臓などに障害を引き起こします。カドニウムはイタイイタイ病の原因金属です。ポロニウム210はロシアの元諜報部員リトビネンコ氏の不審死事件で、彼の尿から検出されたことで有名になった放射性物質です。アラファト議長もこれによって暗殺されたという見方もあります。ニッケル、カドニウム、ポロニウム210には発がん性があり、鉛には発がん性の可能性があるとされています。

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